ドラジャパクイーンの本懐2:言語を使った「遊び」活動
裏庭のコスモス
言語活動の遊び的要素とか遊び的側面と、聞いてどんなことを連想しますか?
ダジャレやなぞなぞなどの言葉遊びでしょうか?
落語、漫才、川柳など言葉を使って作者・演者自身が楽しみ、楽しませる活動、滑稽・諧謔を狙う俳諧はグループで言葉を使って楽しむ活動。
言葉を使って楽しむ活動はいろいろありますね。
以上挙げた例は、言語を使った「遊び」活動と言えるでしょう。
以上の言語「遊び」には、以前お話しした(ホイジンガー・カイヨワさんによる)「遊び」の本質的特徴が全てでないにしても多く見られます。カイヨワさんの遊びの特徴をおさらいしてみましょうか。
①自由な活動。すなわち、遊戯者が強制されないこと。もし強制されれば、遊びはたちまち魅力的な愉快な楽しみという性質を失ってしまう。
②隔離された活動。すなわち、あらかじめ決められた明確な空間と時間の範囲内に制限されていること。
③未確定の活動。すなわち、ゲーム展開が決定されていたり、先に結果が分かっていたりしてはならない。創意の必要があるのだから、ある種の自由がかならず遊戯者の側に残されていなくてはならない。
④非生産的活動。すなわち、財産も富も、いかなる種類の新要素も作り出さないこと。遊戯者間での所有権の移動をのぞいて、勝負開始時と同じ状態に帰着する。
⑤規則のある活動。すなわち、約束ごとに従う活動。この約束ごとは通常法規を停止し、一時的に新しい法を確立する。そしてこの法だけが通用する。
⑥虚構の活動。すなわち、日常生活と対比した場合、二次的な現実、または明白に非現実であるという特殊な意識を伴っていること。
俳諧を例に検証してみましょう。
俳諧は一人ではなく、数人で楽しむことばの遊びです。自由意志で参加します。あらかじめ決まった時、場所で行われる活動です。ことばを集団で紡いでいく活動ですから、どんな風に作品が出来上がっていくのかわかりません。プロの俳諧師もおり、最終的にできた作品が出版され印税が支払われるということもあるとは思いますが、おそらく何かの利益を期待して俳諧の活動をする人は少ないのではないかと思います。俳諧は俳諧式目という規則・作法に則って行われます。俳諧の活動は、日常生活とは異なる趣味的、二次的な生活空間・時間で行われているという意識を持って、営まれています。さらに、隔離された場、式目という規則がメンバー間の連帯感を高め、ホイジンガーさんが挙げた秘密性に結びついているような気がします。
言葉を使って楽しむ形式としての遊びの例として、俳諧を遊びの特徴に照らし合わせてみました。
ただ、漫才や落語などお笑いのプロがお金を稼いだら、生産的になってしまいそうですね。
言葉を使って楽しむ形式としての遊びとは別に、私たちの日常的な言語生活にも遊びの要素は潜んでいると思うのです。
次回は、日常の言語生活(ソシュール流Langage)に潜む遊びのかけらをみなさんとみつけたいと思います。